まさか麻生副総理の口から、ドイツのワイマール憲法の話が出るとは、思ってもいなかった。これまでワイマール憲法が、話題に上がる時は、「ワイマール憲法のような民主的な憲法があってもナチスは登場した。わが国に平和憲法があってもいつそれを覆す全体主義的な政治勢力が台頭しないとも限らない」といった形で、リベラルな考え方を持つ人々の間で、ワイマール憲法が議論の対象になっていた。
今回の麻生氏の発言は、まさにこうした観点の真逆で、「あの手口に学んだら」と麻生氏自身が述べているように、ナチスの発想そのものと言わざるを得ない。すでに米国のユダヤ人団体から批判説明が出るなど国際的にも大きな問題になっている。民主党の正式な対応は、党の機関で、議論して決めなければならない問題だが、麻生氏の説明次第では、即刻辞任するか、安倍総理に解任を要求することになる。
民主党の小西洋之参議院議員が、私にメールをくれた。彼のメールに依れば、
・「当時最も民主的な憲法といわれたワイマール憲法下でナチスの台頭と人権蹂躙を許してしまったものは、同憲法にあった非常時の『大統領緊急権』を濫用(1933年2月)されたものによる。」
・「その後に制定された『授権法(国民および国家の困難を克服するための法律)』(1933年3月)により、政府の制定した法律に矛盾する憲法の規定はその効力を失うものとされ、同憲法秩序が実質的に崩壊することとなった。」
とある。これは小西参議院議員の個人的な考えではなく、ドイツの近現代史を勉強した者にとっては常識ともいうべき認識である。
問題は、自民党が昨年発表した、憲法草案の弟98条の「緊急事態条項」には、緊急事態宣言が発せられた場合は、内閣が法律と同一の効力を有する政令を制定することができることとなっている。これは、ナチスの『授権法』と同じである。
今後、自民党の憲法草案に対しては厳しく、対峙しなければならない。
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