(編集者注:記事内容は3月11日のものです。)
東日本大震災、福島原子力発電所事故から15年の歳月が経ちました。改めて犠牲になられた方々のご冥福を祈るとともに、行方不明になられている方々の一刻も早い発見と、なお、避難を余儀なくされている方々にお見舞い申し上げます。
原発事故当時の経済産業大臣として、15年前の3月11日から数日間の過酷な原発事故との対応の記憶は今でも脳裏に焼き付いて忘れることはできません。原発事故の原因調査に関しては多くの著作も刊行されていますが、私は改めて5年前に発行された『福島原発事故10年検証委員会、民間事故調最終報告』(アジア・パシッフィック・イニシアテイブ)を読み返して、考えたことがあります。それは、事故当時の初動段階における緊急対応力とロジステイックス力のことです。報告書では180ページから195ページにわたって記述がありますが、特に注目すべきは原発大国フランスのFARNの実例です。
FARNは日本の福島原発事故を参考にして、2015年12月に発足した組織で、パリの本部と4つの地方支部270人体制で発足しました。FARNはヘリコプターや大型重機を装備し、隊員は軍隊やフランス電力に長く勤務した技術者で、事故発生から12時間以内にフランス国内のどこの発電所にも出動でき、初期対応に当たることになっています。
日本でも、これに似た組織として事故後福井県美浜町に「原子力緊急事態支援センター」が作られましたが、職員はわずか21人です。これでは日本全国の原子力発電所の事故には対応しきれません。
日本では、今年中に防災庁が発足する予定ですが、防災庁は主に自然災害対応で原子力災害対応はできません。それに実働部隊は持っていません。私は2011年6月、経済産業大臣としてIAEA(国際原子力機関)閣僚会議で、福島原発事故の報告を行っていますが、その中でも、この種の初期対応部隊の必要性を訴えました。あの過酷事故から15年の節目の年に、こうした組織の創設に向けた議論を改めて行うべきだと考えました。










