月刊 小品文 (海江田万里の政経ダイアリー)

【海江田万里の政経ダイアリー】2026年9月4日号:中道・公明・立憲民主党の合流が失敗した今、考えていること

9月に入り、秋の訪れを感じる季節となりました。皆様はいかがお過ごしでしょうか。私が所属する中道改革連合は、8月末までに、参議院の立憲民主党と公明党との合流について協議を重ねてきましたが、結局、3党は合流せずに、しばらくこれまでと同じように国会において3つの政党が鼎立する形を続けることになりました。

個人的には大変残念な結果になったと思っています。周囲の方々に意見を聴くと「仕方ないのではないか。最初から合流できるとは思っていなかったから」との答えが大半で、私自身、今年2月の総選挙で示された有権者の中道に対する不信感がぬぐい去られていないことを改めて考えさせられました。

それでは、有権者の信頼を取り戻すためにどうすればいいのか。私は、やはり政策をもう一度練り直すしかないと思っています。中道改革連合が、誕生した時に、基本政策のすり合わせは行いましたが、その後の高市政権の動きを視野に入れ、最低、次の3つの課題について、徹底した議論を行うべきです。

一つは、高市政権の円安、財政拡大に対抗するマクロ経済政策です。現在の円安は、国が「出血バーゲンセール」をやっているようなもので、一部の企業は潤っていますが、これは一過性のもので長続きするはずがありません。食糧品の消費税減税の問題についても財源を含め、社会保障の改革案とセットで政策を打ち出すべきです。

二つ目は、安全保障問題で、高市政権は「安保3文書」の改定を行い、「非核三原則」の見直しに踏み込む可能性があります。高市首相は8・15の戦没者追悼式で「日本はインド太平洋の輝く灯台として頼りにされる国になる」と述べましたが、美辞麗句を述べる前に非戦を掲げ、法と正義に基づいた外交を行い、専守防衛に徹し、身の丈に合った安全保障政策を打ち出すべきでしょう。

三つ目は、国のかたちの在り方として皇室典範改正について再度議論を行うことです。皇室問題を「政争の具」にすることを避ける意味で、野党もこの問題については、外に向かっての発信を控えてきました。しかし、高市政権が、何が何でも男系男子での皇統の継続を押し付ける典範の改正を行った以上、野党は堂々と国民に向かって、本当にこの改正で良かったのかどうか、もう一度、党内の議論を重ねて、皇室典範の改正に向けた議論をするべきだと考えます。今回の皇室典範の改正でも附則で、将来の再検討は担保されています。

そして、最後にもう一つ大事なことは、最初から「大きなかたまり」を作ることを意識するのではなく、先ず政治に携わる一人一人が、自分の考えをしっかり持って、その上で、上記3つの課題の共通認識を基礎に、考えを同じくする人々が党派を超えて集まる方式をとるべきだと思います。今から30年前、最初の民主党を旗揚げするに際して、「さきがけ」や「社民党」丸ごとの合流ではなく、一人一人の政治家が「この指とまれ」の個人参加で、新しい党に集まりました。当時を知る政治家は、少なくなりましたが、時代は変わっても、新しい政治勢力を作るには、その方法が最良であるとつくづく考えています。

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